「人助け」の利益
わたしには、昔からとっても憧れている方がいる。
その方は最近まで東京の日本科学未来館で働いていた。
先日はじめてお会いすることが叶って、
「ああ未来館また行きたいなあ・・!」と衝動にかられたので、
こないだいってきた!
はじめて行ったときも、おもしろくて刺激的で、驚いたのだけれど
今また自分の興味が変わったので、また新しくおもしろいことをいっぱい知れた。
いっこずつ書き留めていく。
今回は、ひとはなぜ「人助け」するのか?ということ。
人間だけができること
それは、未来を想像すること。その未来にむけて動くことができる。
この力によってうまれた人間ならではの特徴の1つが、手助けの自発性。「だれかが困っていると、つい手が出ちゃう」。これによって協力関係が生まれる。
チンパンジーと人の違い
チンパンジーは自分からは手助けしない。何も利益が生まれないから。
要求されたときだけ協力する。
京大・霊長類研究所・山本先生のチンパンジー研究のはなし。
ストローもってるチンパンジー・パルちゃんに、となりのパンちゃんが“ストロー!くれーーー!!”って手たたく様子がめっちゃおもろい‥
ほんで、パルちゃんがストローをあげるの、すごい…。親近感のあるお名前で、ちょっと誇らしいぜ
解説と考察↓
この観察日記、おもしろそう。「ただ乗りは許さない」とか・・こんどゆっくりよも。
いっぽう人は、”まわりからの評価”を期待する。(←これ自体もおもしろいので、次回くわしく。)その時点では相手にしか利益がないのに、未来を考えて「自分の利益が今後あるだろう」と想像する。
1歳半でもう身につく力なんだそう。
相手が要求してないことまで考え、つい自分から手助けしちゃう。この人間の性質が、人間特有の「協力」関係をつくっている。
このチンパンジーとヒトの違いのはなしから、以下、私が感じたことを。
人助けにどれほど利益があるのか
人助けすると、きもちいい。なんで?
誰しも、「人助け=いいこと」と脳内にインプットされている。それは、人助けしても、自分へ利益が返ってくるかは分からないからだろう。”win-winにならないリスクがあっても人助けするんだから、えらい!”と考える。
そうした利益の不確実性が、人生経験をとおしてわかってはじめて、「人助け=いいこと」が成り立ってる。だから幼いときには、「人助け」自体は理解してても、その満足感とか自己肯定感はないんだろうな。
利益はときに返ってこない。だからこそ、平和なんじゃないかな
逆に、「自分に必ず同等の利益が返ってくる!」確実にwin-winのルールが設けられたら?
- 「人助け≠いいこと」
- 「人助け=一方的な“お返し”の要求=勝手な行為」
になるのかもしれない。たとえば、助けた相手が「多少ありがたいけども、手助けされたら何か利益を返さんとあかんやんか・・」と迷惑に思うかもしれない。
さらに、手助けの内容じたいが相手にとって「ありがた迷惑」だった、いわゆる「おせっかい」の場合、最悪。相手の不利益が2倍になる。
そんな恐怖をいだき、自ら手助けすることが億劫になる。すると、この世から「協力」が少なくなっていく。
「人助けしても、必ずしも報われない」。
そんな不確実性があるからこそ、感謝しあう優しい気持ちで世界がまわって、協力関係がつづいていくんやなあ。これでよかったなあ。
「ひとのため」は「自分のため」になる
協力が盛んになるほど、ひとの能力はおたがいに補填されあって、できることが倍増していく。人間の文明がこんなに発達したのは、発達した脳だけじゃなくて、「先を想像する力」によって身についた「自発的に手助けする」行為のおかげでもあるんだろうなあ。
ひとは、一人じゃたいしたことはできない。
他者と関わり合って、いろんなものが生まれる。
じぶんの不利益を避けるよりも、人助けをして協力関係をゆっくり深めていくほうが、結果的に得られる利益は大きいんじゃないかな。そう信じている。
せっかく人間に生まれたのだから、助け合いすることで、
いろんな発見のあるおもしろい人生にしていきたいもんです。
仕事ではまだまだ自分のことで精いっぱいやし、くたくたで電車のってたら席譲らなかったりするけど、
できる範囲で+αのこと、やっていければな~!