「あなたらしさ」が問われる未来
「機械」と「ひと」を考える。
これからどんどん人工知能によって「機械」が台頭すると、社会的に「ひと」らしい個性が望まれていくようになると思う。
けれど、流されるまま「機械」にのまれていくと「ひと」はどんどん思考停止していき、個性は弱まっていくんじゃないかな。
という話を。
社会は「ひとらしさ」を求めていくだろう
第4次産業革命が、すぐそこまできてる。
ものづくり大国ドイツは、6年前から『インダストリー4.0』という国家プロジェクトを進めている。「『自ら考える』スマート工場をいっぱいつくって、製造業の構造の革新すっぞ!」というもの。カギになるのがこの2つ。
このタッグをもってすれば、量・スピード・精度はもちろん、論理的思考とか異分野融合でさえも、たやすいもんだろう。そんなん「ひと」勝てんがな。
てなことで、スーパーかしこい「機械」は、人材としての「ひと」の価値を大きくゆるがす。今ある「ひと」の仕事は激減する。
そこで必要とされる人材とは?人工知能ができないこと、たとえば
- 創造性。オリジナルの発想力・アイデア。
- 周りのひとに与える人間味。コミュニケーション能力・気遣い・あったかさ。
そんな「ひとらしさ」をもった「ひと」が重宝され、生き残っていくんじゃないかな。
「ひと」は「わたしらしさ」を求めていくだろう
「みんなと同じ」を求める現代
つぎは社会的ではなく、根本的な人間欲求から「ひと」へのニーズを考えてみる。
ここで、私が好きな"マズローの5段階欲求説"を用いてみる。
by マズローの欲求5段階説の解説とマーケティングで陥りやすいミス
低次元の欲求ほど必須で、それが満たされると、さらに高次の欲求を満たすべく行動する。というもの。
1- 生理的欲求 (食事・睡眠など)
2- 安全欲求 (健康・経済的安定・危険回避など。安心・快適な生活を送りたい)
現代、低次の2つの物質的欲求はとうに満たされている。だから、社会的に心を豊かにしたいという高次の精神的欲求が強まる。
3- 所属と愛の欲求 (外的な社会欲求。集団に帰属し、仲間と繋がりたい)
4- 承認欲求 (内的な社会欲求。承認・尊敬してほしい)
時代の流れ・科学技術の成長とともに人間関係が少しずつ希薄化していった現代、
「つながり」「流行」「みんなと同じであること」を求めるようになったんじゃないかな。
そんな孤独感・社会的不安が追い風となって、欲求を満たすようなサービス・製品が売れていった。
「みんなと違う、わたし」を求める未来
こんな風潮の中で、社会はやがて「みんなと同じ」ことへの不満や飽きを感じ始めるんじゃないかな?
なぜなら、
- ものづくりにおいてカスタマイズ化が容易になっていくから。自分のアイデアをビジネスに変えるチャンスはどんどん増えていく。
- また、現代は経済成長がとまった定常期だから。人類はこれまで、経済の拡大→定常化を繰り返しており、定常期にいろんな文化的発展が見られた。このように、人類史の観点でクリエイティブで文化創造の時代がやってくると言われている。
▶【Kickoff Talk】広井良典「拡大・成長から持続可能性へ。人口減少時代だからこそ、ローカルにチャンスがある!」 – Local.Biz
そうして自己表現で食べていける社会になっていけば、5段階目の
5- 自己実現欲求 (自分の能力を引き出し挑戦する)
が働き、「皆とちがう、わたし」が高い価値になる世の中になっていくんじゃないかな。
尖っていこう。考えよう。
こうして「ひとらしさ」、さらに「わたしらしさ」が求められる社会になっていくなら、
それに向けて何をすべきなのか?
もっとも危惧しているのが、「わたしらしさ」の価値の高まりに反して、「わたしらしさ」を支える個性と思考力が低下してしまうこと。
便利な暮らしになるほど「機械」がなんでもしてくれる。だから、自分の頭で考え表現する力は一層衰えていく。そうして、技術の波に人間性がゆっくりと飲み込まれていき、種としての本能的な不安を抱える社会になるのでは?
「ひと」がつくりあげた「機械」による、バイオハザード…。
特に、和の精神をもつ日本人は危険。調和を重視し、変わり者は排除する、という国民性は皆少なからず感じているんじゃないか。
「ひと」「わたし」の社会的価値を高くするには、独創性を高めないといけない。他国に追い抜かれないためにも、個性と思考力を養うフィールド・ツール・教育を意識的に増やしていく必要がある。
だからわたしは人の目を気にせず「わたしらしさ」を探していきたい。し、
自分の子供が生まれたら、習慣的にいろんなことを考え、楽しく話しあいたい。
と思うのです。
*おまけ*
現代版の欲求モデルとして、Wi-Fi欲求がネタにされてて笑った。たしかにな・・